<第2回>計算脳からの脱却              
              
              
            
      
      
        
      
      
      「計算だけはものすごくよくできるのですが、文章題や図形が苦手みたいで……」という相談がいまだに多いことに驚きます。        
       
       
      このような状態になっている子供たちの中には、計算だけに特化した学習を継続させられたことによって作り上げられた脳、すなわち「計算脳」になってしまっている子がいます。        
       
       
      ある時、「うちの子、計算は幼少期から5〜6年間やらせているので大丈夫みたいなのですが、文章題や図形が……」というお母さんの子に、「本当の勉強をすればできるようになるよ!」と伝えて学習を開始してもらいました。        
       
       
      それから10ケ月後、文章題も図形も取り扱える頭脳に変化し、学校の算数のテストはすべて100点、全国模試でも成績上位の結果を出すなど、見事に計算脳からの脱却を果たしてくれました。        
       
       
      「先生、『最近、勉強が楽しくなってきた!』と子供が言っています!」というお母さんの笑顔がとても印象的でした。        
       
       
      計算だけに特化した学習をすると確かに計算力は高まってきます。       
      
      
      しかし、「計算脳」になってしまった子供たちはというと、計算以外の問題については、答えがそれらしい数字になるまで何度も問題とはまったく関係のない四則計算を繰り返すだけになってしまいます。       
      
      
      また、重度の「計算脳」になってしまった子供が計算以外の問題を解こうとすると、急に落ち着きがない状態になるそうです。       
      
      
      「計算脳」になってしまった子供たちは、計算だけに特化した練習を長期間(5年以上)続けて(続けさせられて)きています。       
      
      
      「計算練習を進めることが応用なのですから、続けないとできなくなりますよ!子供の能力を親が奪うのですか!」と親を脅し、子供を「計算脳」にしてしまう学習指導者が世の中には多く存在しているようなのです。       
      
      
      成績をよくするためには計算だけに特化した学習ではなく、計算以外の学習に目を向けさせることが大切です。       
      
      
      前述の計算脳から脱却した子は、自信をもって学習を進められるようになりました。       
      
      
      「計算」というものの取り扱い方を間違えなければ、「計算脳」になることはありません。       
      
      
      「計算脳」になってしまっても、「計算脳」から脱却できればおのずと成績はよくなってきます。       
      
      
      子供が「計算脳」になってしまわないように、計算に特化した学習環境を子供に与えないよう周囲の大人たちが気を付けてあげたいですね。       
      
      
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